高電圧を扱う重電機器の分野ではモレキュラーシーブは主に以下のような用途で使用されています。

・ ガス絶縁開閉装置(GIS)等の封入SF6ガスの乾燥・精製
・ トランス絶縁油の精製

これらのうちSF6ガス封入のガス絶縁開閉装置は、SF6ガスの優れた電気絶縁性能や消弧性能を活かしてコンパクトな設計が可能であることから、重電メーカー様に広く採用されています。

SF6ガス自体は、高度な化学的安定性と優れた電気的安定性を有する物質ですが、開閉時に起こるアーク放電によりSF6が分解し、その特性を阻害する分解物が発生し、特にわずかでも水分が存在するとさらにSF6の分解が促進され、強酸であるフッ酸が発生し、系内に悪影響(腐食・絶縁不良等)を及ぼします。

したがって分解物や水分の除去が不可欠ですが、この目的のためにほとんどの場合、密閉された重電機器の系内にSF6ガスと一緒にモレキュラーシーブが封入されます。吸水性能からだけでなく、ブレーカー開閉時の振動や衝撃に耐えられる高強度・耐摩耗性という観点からも当社のモレキュラーシーブが広く使われています。