一般にモレキュラーシーブは吸着した水分を再生するのに200℃以上の加熱を必要としますが、100℃以下で効率良く再生を行えるCSX-250と呼ばれるモレキュラーシーブも有ります。
下図の矢印は25℃で吸着した水を80℃加熱で、どの程度再生可能かを示しております。黒矢印はA型ゼオライトの場合を示しており、80℃加熱により5g/100g程度の水分除湿能力が再生されております。一方、赤矢印はCSX-250の場合を示しており、80℃加熱により吸着していた水分の殆どが脱離し、20g/100g程度の水分除湿能力が再生されている事が判ります。


CSX-250はこの低温での再生が可能なメリットを生かして、家庭用の調湿機能を持った空調機や除湿機に利用されております。特に、低湿度下で大きな吸着能力があり、低温での再生が可能なCSX-250の特性を利用して、冬場乾燥した室外空気をハニカムに通して、水分をハニカムに吸着させ、その後ハニカムを加熱して吸着した水分を脱着し、この水分を乾燥した室内に放出する使い方もできます。つまり、加湿するために水分の補給を必要としません。